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椿の花
椿は、梅に次いで春の花の代表です。花期は、2~4月で春の季語になっています。
日本椿は、わが国の固有種であり、北海道を除く本州以南に自生しています。
原種は、大別してヤブツバキとユキツバキに分類され、約1千種有るとされています。(園芸種は、約3千種、全世界の原種・園芸種を合わせて約1万種と言われます)

わが国の歴史に始めて出てくるのは、日本書記に「白ツバキを天皇に献上した」という記事や、古事記に「真椿、その花が照り坐し、その葉が広がり、照り座するは、大君かも」と言う意味の記載がある。椿は、同属の『榊』や神社に良く植えられている『オガタマノキ』などともに常緑の木に神が降臨するという信仰があったようだし、後の鎌倉時代に八百比丘尼伝説(800才の長寿を保った比丘尼が、日本の沿岸に椿の種を蒔いたり挿し木して廻った)を生んだ。

室町時代に足利義満が、中国の椿を輸入したこともあり、庭木として植栽されるようになった。
本格的に花を愛でるようになったのは、次の安土桃山時代である。千利休を中心とする『お茶』の隆盛とともに椿を植栽して花を愛でる習慣が、武家、社寺、一般へと広がった。

さらに、江戸時代にニ代将軍秀忠が江戸城内に椿園を作り、諸国の大名に銘花の献上を命じて植栽した。次の三代家光に引き継がれ、椿の品種改良が全国的に行なわれ、庶民の中にも愛好者が広がった。
(家光は盆栽をこよなく愛したので、その遺鉢が残っているそうです。)

盆栽の世界では、椿は愛でることは勿論のこと、常緑の照り葉の美しさと枝振りの妙を鑑賞します。特に、ヤブツバキは、花の質素で、深い紅色の単色の美しさを鑑賞します。

カーネーション椿
花は小振りで、獅子咲ないし牡丹咲がカーネーションに似ていることにより命名された。
花期がやや早く冬から咲きますので好まれています。
この椿は、『久留米椿』で、福岡県久留米市内に幹廻り1mを超す古木があるそうです。
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by tjirocyo | 2011-03-06 12:27


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