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夏エビネ
夏エビネは、蘭科の植物です。北海道から九州までの山野に自生しています。山野と言っても、河川の源流に近い湿気の多い奥深い山野で、静かに生きてきたものだろうと想像します。

夏エビネの名の由来は、単純に夏に咲くエビネであり、エビネを漢字で『海老根』書くように、海老のように「背が曲がっている」ということです。

学名も、エビネ属はCalanthe reflexaですが、Calantheはギリシャ語の美しい花の意、reflexaは、背曲したの意ですので、背曲した美しい花ということになり、真にエビネのふさわしい、すばらしい命名だと思います。

夏エビネは種類は少ないし、春に咲くエビネが多種多様に美しいが多いことをみれば、エビネ属の花が園芸家の垂涎の花であつたかが納得がいくと思います。

夏エビネの花色は、白や薄い紫色多いのは生殖環境にあると思います。山深い薄暗い森の沢に咲くので、太陽の強い光線を受けることも少ないので白に近い色になったと考えます。その為か、鹿などの動物に食べられなくて生き延びたのでしょう。
しかし、近年は絶滅危惧品種になるほどですから、人間の山野草採集によると言われることは残念なことです。

深山の、かすかに透る光線を水辺に咲くうす紫の夏エビネを想像すると、下の写真のような気品ににあふれた優美な貴婦人に見えるでしょう。

夏エビネ_e0140695_15531320.jpg



私は、深山に咲く夏エビネは見たことはありませんので、上の写真は借り物です。
数年前に「東洋ランと山野草の大家」である友人に頂いた私の愛育している夏エビネは、残念ながら貴婦人とは言えませんが、豊満な美人に見えるかもしれません。

夏エビネ_e0140695_16155920.jpg

by tjirocyo | 2011-08-27 15:02


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